転職活動を始めるに当たって「今が良い時期なのか?」「的外れな時期に活動してしまっているのではないか?」と不安になられる時もありますよね?
自分自身のキャリアや準備によって成否は分けられますが、競争相手も当然いることですから気にされるのも当然のことだと思います。
ここでは、中途採用されやすい時期、タイミングについて解説します。
中途採用が活発な時期
年も明けたし心機一転、自分にあった良い転職先を探すぞ!
頑張って!でも新年度も近いし今から
転職活動するのが良いのかしら・・?
いざ転職活動を始めるに当たって現職での仕事の調整や転職先が決まりやすい時期なのか、競争相手が多い時期なのではないか・・悩まれるかと思います。
中途採用が活発な時期は?
主に企業側が採用活動を活発化させる時期は次となります。
- 新年度前後(3月~4月)
- 上半期終了前(6月~7月)
- ボーナス支給後(6月後、12月後)
新年度前後(3月〜4月)ですが新年度に向けて、企業は新たなプロジェクトや事業計画を立てるため、必要な人材を確保しようとします。この時期は特に中途採用が活発になることが多いです。
新年度前後(3月〜4月)に採用活動が活発化する理由として、年末年始以降から2月3月にかけて次年度の予算が確定し、新たな計画やプロジェクトが具体化したタイミングで、必要な人材を迅速に確保しようとするからです。
この時期は、特に年度内に達成すべき目標や事業計画が決まった後に、すぐに動き出せるような即戦力が求められる傾向があります。
予算組みが完了した後、企業はその計画を実行に移すために、早急に必要なリソースを揃える必要があるため、結果として新年度直前や直後に採用活動が盛んになります。
上半期終了前(6月〜7月)は企業が上半期の業績を評価し、下半期に向けての体制を整えるため、必要な人材を補充することがあります。また、夏季休暇前に採用活動を終わらせたいという意図もあります。
必要な人材の補充という意味では、以下にあります通りボーナス支給後に退職意向を示す社員が増加することもあり、その欠員補充という意味合いもあるため、企業側は早く補充要因を採用したい!という意向が強く持たれることが多いですね。
ボーナス支給後(6月と12月)ですが、多くの従業員がボーナスを受け取った後に退職を考えるため、そのタイミングで企業も人材を補充しようとする動きが活発になります。
この時期は、以下のような企業側の動きがありますね。
- 6月末: 多くの企業で夏のボーナスが支給
- 7月: ボーナスを受け取った後に転職を検討する人が増えるため、企業側もそれに合わせて採用活動を活発化させる。企業は夏休み前に採用活動を一段落させたいと考えることが多く、7月が特に採用活動が盛んとなる。
その後、8月は夏季休暇の影響で一時的に採用活動が鈍化することが多いですが、9月に入ると再び採用が活発になるケースもあります。
とはいえ、7月がボーナス支給後で最も採用活動が活発化する月といえるでしょう。
やっぱりボーナス支給後の7月、新年度向けの
年明けが求人が増えてくるんだね!
逆に求人が少なくなる月としては8月、12月となります。
- 8月: 夏季休暇の影響で、企業の採用活動が一時的に停滞することが多いです。多くの企業や求職者が休暇を取るため、新しい求人が出される数も少なくなります。
- 12月: 年末に向けて業務が忙しくなる企業が多く、採用活動が優先されにくい時期です。さらに、企業は年度末の業務に集中することが多く、新しい採用活動を行う余裕がないことが多いです。また、求職者側も年末の慌ただしさから転職活動を控える傾向があります。
これらの月は、企業も求職者も動きが鈍化しがちなため、求人の数が少なくなる傾向にあります。
上記は一般的な企業の動向となりますが、中には通常と異なる時期に採用活動を活発化させる以下のような業界もあります。
中途採用が活発化する時期が他と異なる業界は?
1. IT・テクノロジー業界
- 特徴: ITやテクノロジー業界は、プロジェクトや製品のリリースに合わせて採用活動が行われることが多いです。例えば、大きな製品リリース前後や、資金調達が完了した直後など、特定の時期に急に採用が活発化することがあります。
- 活発な時期: 新製品や新技術のリリースが集中する秋(9月〜11月)や、年度末(12月〜3月)に向けた開発体制の強化が求められる時期などが活発になります。
2. 教育業界
- 特徴: 教育機関や関連企業は、学期の開始に合わせて採用活動を行うため、他の業界と異なるサイクルで採用が活発になります。
- 活発な時期: 新学期開始前の3月〜4月、あるいは9月〜10月が採用のピークになります。特に学校や塾、教育関連の企業はこの時期に新たなスタッフを迎える傾向が強いです。
3. 医療・福祉業界
- 特徴: 医療・福祉業界は、需要の変動に合わせて採用が行われるため、季節や年度に関係なく採用活動が行われることが多いです。
- 活発な時期: 年末年始や新年度前の採用が比較的少ない一方、夏季や冬季に向けた人員強化や、病院や施設の新規オープン時期などが採用のピークになります。
4. 観光・サービス業界
- 特徴: 観光業やサービス業は、季節ごとの繁忙期に向けた人材確保が重要です。したがって、通常の企業とは異なるタイミングで採用が活発化します。
- 活発な時期: 夏の観光シーズン前(4月〜6月)や、冬の繁忙期(10月〜11月)が採用のピークです。特に、ホテルや旅行関連の企業はこれらの時期に短期的なスタッフを含めて採用を強化します。
5. アパレル・小売業界
- 特徴: 新しいシーズンやセール時期に向けた準備のために、通常の企業とは異なるタイミングで採用が行われます。
- 活発な時期: 春夏と秋冬のシーズンが切り替わる前の時期(2月〜3月、8月〜9月)が特に採用が活発です。セールや新シーズンの立ち上げに向けて、スタッフを増員する傾向があります。
一般論で言うと、新年度前後(3月~4月)、上半期終了前(6月~7月)、ボーナス支給後(6月後、12月後)が活発化しやすい時期となりますが、業界によって例外的な動きをするところもありますので、希望される業界の動向をチェックすることをお勧めします。
採用が少ない時期の狙い目
採用活動が活発でない=世に出てくる求人が少ない、ということになりますが、逆に考えるとライバルが少ないのか?考えてしまいますよね。
- 競争率が低い時期: 一見採用が少ない時期に応募することで、競争を避けつつ目立つ可能性を示せるかも。
ただ、やはり普通に考えると転職先を探している人は月によってそこまで変わらないと考えることが妥当なので、
求人が少ない=良い求人に応募が集中する
ことになるので、通常よりも難関となる可能性の方が高いです。
そのため、応募するタイミングについてはあまり意識せずに企業の採用動向やリクルーターからの情報を基に、応募の適切なタイミングを判断することが望ましいでしょう。
転職活動の計画とスケジュール
【初めての転職!】転職活動の期間は平均でどれくらいかかるのか?でも書きましたが、大体転職活動は始めてから3~6ヶ月くらいの期間を想定しておくべきです。
そのため、5,6か月後に入社することを想定し、ボーナスは現職・転職先どちらでもらった方がよいのか?年収が上がる前提であればボーナス関係なく早く活動して転職する方がメリットが大きいのか?
また、もし自宅の引っ越しなども想定するのであれば、引っ越しがしやすい時期に照準を合わせるなど、計画立てて考える必要がありますね。
昔と違って今は引っ越し業者も繁忙期には相当な金額になったり、依頼を受けてもらえない時期があったりするので、その辺りも考慮が必要ですね。
また、中途採用者が多い会社であればあまり拘りはないかもしれませんが、日系企業で例えば中途採用者を大量に特定の時期に採用し一斉入社する、という場合も、その時期に合わせて活動する必要がありますよね。
転職タイミングを図り成功した事例
以下に、転職活動でタイミングを計画して成功したいくつかの事例を紹介します。
1. ボーナス後の転職で有利な条件を引き出した事例
背景: あるITエンジニアは、年末に大きなプロジェクトを終えた後、ボーナスを受け取るタイミングを見計らって転職活動を開始しました。
タイミング: ボーナスを受け取った直後に退職願を提出し、すでに交渉を進めていた新しい企業にスムーズに移行。
結果: ボーナスを確保した上で、新しい職場では現職以上の給与と条件で入社が決定。転職後、年収が大幅にアップし、スキルを活かしたプロジェクトに参加することができました。
ここでは、転職先からオファーをもらうタイミングをボーナスを受け取る前後くらいに設定して逆算して転職活動を行い成功した、やや転職のベテランのような方の動きをした事例ですね。
なかなか最初の転職ではこれほどタイミングよく活動するのは難しいかもしれませんが、スムーズにオファーを貰える可能性があれば、ボーナス受給日の3ヶ月前から応募→面接、オファーを受給日前後にもらえるよう調整することにトライしてみてもよいかもしれませんね。
2. 繁忙期を避けた転職でストレスを回避した事例
背景: 広告業界で働くマーケティング担当者が、年度末や四半期末の繁忙期を避けて転職を検討。
タイミング: 忙しい時期が終わる直前に転職活動を開始し、翌年度の計画が固まる前に新しい企業への移行を決定。
結果: 繁忙期のストレスを避け、新しい職場ではゆとりを持った環境で新しい業務に取り組むことができ、短期間で高い成果を上げることができました。
繁忙期がある仕事の場合は途中で抜けることもなかなか割り切らないと難しいですよね。
この方のケースでは、次の繁忙期向けの計画が固まる直前に、区切りの良いところを狙ってオファーをもらえるよう活動したケースとなります。
3. 業界の景気動向を読んで転職を成功させた事例
背景: 製造業のエンジニアが、業界全体の景気が上向いている時期に転職を検討。
タイミング: 市場が拡大し、企業が積極的に採用活動を行っている時期に転職活動を開始。
結果: 希望していた企業でのポジションが開かれ、他の候補者と競合することなくスムーズに内定を獲得。転職後、景気の追い風を受けて昇進のチャンスも増えた。
なかなかピンポイントで「この会社で働きたい!」という意思をお持ちの方は少ないかもしれませんが、もしあるのであればその企業の採用動向を常にチェックして先を見通して活動を進めることをお勧めします。
特に業績が良い企業であれば、その分野でのリソース要求は高いと思いますので、狙いを定めての転職活動ということでタイミングも見計らいながら計画立てられると良いですね。
これらの事例は、適切なタイミングを計画することが転職活動の成功につながることを示していますので、希望される業界の動向を確認しつつ、ご自身の生活や希望を踏まえて3~6か月後に転職する想定で計画立てることをお勧めします。